2013年6月30日日曜日

6月の和の薬膳・基礎編

6月の和の薬膳・基礎編のテーマは「水出し」。


梅雨の季節は、体内にも余分な水分が滞り、「湿邪」となってさまざまなトラブルを引き起こします。

その一つが消化不良。「胃は湿を嫌う」「胃は冷えを嫌う」といわれ、湿気が脾・胃に停滞すると、冷えて消化が悪くなります。

旬の食材には、余分な水の排出を促す「利尿」「利水」「発汗」作用のある食材や、冷えを嫌う脾・胃を補う食材がたくさんあります。

今月の和の薬膳では、これらを意識して取り入れます。



メニューは、
・いんげんの鶯宿梅
鶯宿梅とは、梅にうぐいすがとまっている様を表した日本ならではの感性が表された表現。いんげんにごまのペーストとたたき梅との組み合わせが絶妙で、自宅で何度も作られるほどやみつきになった方も。嬉しいです!

・新じゃがときゅうりの山椒和え
新じゃがときゅうりとみょうがを、ごま油で熱した山椒の実で和えた一品。冷えないようにバランスを取っています。

・とうもろこしひりょうず
とうもろこしは、漢方の生薬になるほど利尿作用の高い食材。とうもろこしの甘味が最高に引き立ちます! 油はねが怖いけれど、はねないコツがあるんです。
ひげや芯も薬効が高いので、お茶にして残さず使います。

・新しょうがごはん
さっぱり新しょうがのごはん。辛くないので、子どもでも食べられます。消化も促進してくれます。

・海藻汁
あおのり、あおさ、あかもく、はばのりなど、葉山ならではの海藻をたっぷり使って、ぜいたくな海藻汁に。いいお出汁が出ます。

・麦こがし団子
なつかしい素朴なお菓子。丸麦を炒って粉にして、麦こがしを作るところからやります。香ばしくて一粒でも満足度の高いお菓子です。

今月もおいしくできました!

2013年6月19日水曜日

6月の和の薬膳・応用編

今月の和の薬膳・応用編「二十四節気の食養生 芒種・夏至」のテーマは、「余分な水分を出して腎と脾を補う」でした。

この時節の食養生のポイントは、まずは腎気を補うこと。
腎を補うことで利尿を助け、梅雨時季に滞りがちな余分な水の排出を促します
同時に、湿気=冷えを嫌う脾胃を温めて、殺菌作用のある食材を取り入れます。



ということで、メニューは、
なすのごまだれ漬け
なすを切ったはしから焼いていき、すぐにごまだれに漬け込んでいきます。
切ってすぐに焼くからアクも出ず、ごまだれに漬けておくといい感じに水分が出てきます。

夏みょうがと新しょうがの緑酢和え
緑酢は、きゅうりをすりおろしたもの。これでみょうがと新しょうがを和えた涼しげな一品。

新じゃがのずんだ和え
新じゃがと枝豆、よく合いますよね。

夏野菜の東寺揚げ
東寺とは、湯葉のこと。夏野菜や豆腐を平湯葉で包んであげ焼きにし、あんをかけたもの。ボリューム満点!


・梅しそごはん
たっぷりのしそを刻んで混ぜ、梅を天に飾ります。

春雨のピリ辛味噌汁
春雨とみそ汁、合うんです。

黒豆おこし
黒豆、黒ごま、くるみ、あわ……。最強の腎のサポート食材です。

梅しごと

お隣さんと我が家の庭の梅の木をもいで、今年も梅しごとです!
合わせてなんと16kg。

大ちゃん、生梅をかじらないでね〜。
ただ、と〜っても高い木の上のほうの実を、棒でつついて落としたので、
傷がついているものもたくさん。
傷ものの梅は梅酒と梅ジュースに。

我が家の梅酒は、黒糖焼酎と黒糖で、こっくり濃厚な味わいの梅酒になります。
3年ぐらいおいたものはほんとに芳醇な深い味わい。

梅ジュースは、1ヶ月ぐらいで飲むことができますが、
私は1年間かけて熟成させたものが好み。
途中でアルコール発酵するので、単なるジュースと違って、
1年後にはほんとにまろやかで、こちらも深みのあるおいしさです。

残りは、梅肉エキスと梅干しに。
そうそう、ぬか漬けにも青梅を投入して、カビ予防。
これで16キロの梅の仕込み完了です。

2013年5月31日金曜日

ママ&ベビーの和の薬膳

今日は初の試みで、「プレママ&ママとベビーの和の薬膳」を開催。
これまでも、お料理のお手伝いができるくらいの子どもと一緒の教室は何度かやっていますが、赤ちゃん連れは初めて。

赤ちゃんたち、おとなしくしていてくれるかなぁ、ぐずってママが何もできないってことにならなければいいなぁと心配していましたが、ほらこのとおり、まったく問題なし!


赤ちゃんたちはいつの間にかぐっすり。
一人が寝ると連動したように昼寝してくれました。
しかも、おんなじ大の字ポーズ。気持ちよさそうです。
この様子ならまたできるかな。

2013年5月18日土曜日

朝日新聞デジタル「葉山から、はじまる」

朝日新聞デジタルの連載「葉山からはじまる」で、
先週、今週と2度にわたって「和の薬膳」や「古家1681」のことなどを書いていただきました。
ぜひご覧になってみてください。
この連載には、おなじみの葉山逗子の面々も登場しています。
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201305090165.html
http://www.asahi.com/and_w/life/TKY201305160199.html

2013年5月17日金曜日

5月の和の薬膳・基礎編

4月から新たに始まった和の薬膳・基礎編。
第2金曜と第3金曜、それぞれの会で、なんとなく年齢層もフィーリングも合いそうなメンバーが集まるからほんとに不思議。

昨年1年間通ってくださったメンバーのみなさんとは「まったりぃず」なるチームを結成して、葉山芸術祭などに参加するようになりましたが、
今年のメンバーでも、そんなふうにいいチームワークができるといいなぁと思います。
年末には全メンバーを集めて、大忘年会なんかできたらいいなぁ。気が早いけど。


さて、5月の基礎編のテーマは、「生命力溢れる新芽や新豆を味わおう」。
メニューは、

・グリーンアスパラの揚げおろし
・新たまねぎの白煮
・木の芽田楽
・鯛そぼろの豆ごはん
・新ごぼう汁
・抹茶のブランマンジェ

グリーンアスパラ、新たまねぎ、木の芽、グリーンピース、新ごぼう、新茶、真鯛。
今回も生命力あふれる旬の食材たっぷりです。

私は豆ごはんが大好き!
緑鮮やかな甘〜いグリーンピースが食べられるのは、短い旬のこの時季だけ。
ぜひ缶詰でなく、さやつきの生のもので味わっていただきたいです。

美しい緑色と豆の甘さ、そして食感を残すために、
豆はごはんと一緒には炊き込みません。
豆だけ先に塩ゆでし、そのゆで汁でごはんを炊いて、蒸らしに入ったときに豆を加えます。
お米を炊いている間、豆が乾くとシワがよるので、残ったゆで汁につけておくのもコツですね。

今回はこの豆ごはんに、さらに鯛そぼろをのっけて。ダブルのお楽しみ。
この鯛そぼろ、とにかくおいしくって、みなさんに大好評でした!

新ごぼうのすまし汁も、新ごぼうのうまみがじんわりしみだして、滋味深い味わい。
冬のごぼうではアクが強すぎてこうはいかない。
これも初夏ならではの味わい。私の大好物の一つかな〜。

豆腐に木の芽味噌をたっぷり塗った木の芽田楽も、初夏の風物詩。
昔はこの季節になると、田楽売りの屋台が歩いていたそうです。

あ〜、書いているうちにまたまた食べたくなってきました。ではこのへんで。

2013年5月15日水曜日

和の薬膳・応用編

今日は和の薬膳・応用編「二十四節気の食養生」でした。

5月の二十四節気は立夏と小満。
「5月病」といわれるように、ストレスのたまりやすい時期。
「気」のめぐりをよくして、ストレスと関係の深い「肝」の働きを助ける旬の食材を中心に、メニューを考えました。

まず一品めは「よもぎ豆腐」。く〜、写真がない。
ごま豆腐に生のよもぎを加えて作りました。

ニ品目は「アスパラと新たまねぎの卯の花和え」

卯の花はうつぎの花。この時季に咲く初夏を代表する花です。
卯の花が咲いた頃に卯の花和えをいただく。なんて風流なのでしょう〜。

卯の花和えは、いつものおからの煮物ではなく、
パラパラになるまでおからを炒って、他の食材を和えたもの。
しめさばやいわしの酢漬けなどを和えることが多いのですが、
今回は旬のアスパラと甘酢に漬けた新たまねぎで。黒きくらげの食感もポイント。
これ、初夏には絶対おすすめです。

3品めは「新じゃがとそら豆の新茶炒め」
ちょうど八十八夜を迎えたばかり。新茶で炒めただけですが、うまいです!

ごはんは、新ごぼうとあさりのごはん」
汁ものは、「ひじきと梅干しのすまし汁」

新ごぼうの香りとうまみがいっぱいで、おかわりが止まらないごはんです!

甘味は、「白玉うぐいす和え」
うぐいす和えは、グリーンピースで和えたもののこと。
そら豆で和えると、ひばり和えになります。
春はうぐいすで、初夏はひばりって。
日本料理って、なんて風情があるのでしょう。
和食ってやっぱりいいなぁ。