2011年2月23日水曜日

わけぎとあさりのぬた

あぁ春だなぁと実感する食べ物の1つがこれ。
わけぎとあさりのぬた。
春先になると出てくるわけぎ。
これはねぎではなく、たまねぎとねぎの中間のようなもの。
生で薬味代わりに使っても、ねぎの香りや辛みはない。
その代わり、熱を加えると俄然甘みが出てくる。

この旬の青みと一緒に、
同じく春においしくなるあさりと組み合わせたのが定番の一品。
さわやかな酢みそが本当によく合い、
口の中が春色に染まる。

◉薬膳ポイント
魚介類には必ずわさびやしょうがなどの薬味が添えられますが、
これは魚介のたんぱく質が腸内で腐敗するのを防いだり、
独特の臭いや雑菌の繁殖を抑えるため。
あさりの酢みそ和えにするときも同じこと。
酢みそに溶き辛子を加えるのがポイントです。

◉材料(2人分)
わけぎ1/2束、あさり適量、和え衣[酢大さじ2、白みそ大さじ1、みりん大さじ1、溶き辛子小さじ1/2]

◉作り方
1.あさりは砂抜きして洗い、ひたひたの酒で蒸す。貝が開いたら身を取り出す。
2.わけぎはさっとゆで、4cm長さに切って水気をしっかり取っておく。
3.鍋に和え衣の材料を入れて弱火にかけ、みそが溶けたら辛子を加える。
4.3が冷めたら、食べる直前にわけぎとあさりを和える。

2011年2月14日月曜日

揚げ大根葉のおろし和え

辰巳浜子さんの名著『料理歳時記』に出てきた一品。

大根の葉をからりと素揚げして、大根おろしに和え、柑橘類のしぼり汁と醤油をかけていただくというもの。
浜子さんは大根葉もあれこれ工夫して、実に上手に食べているのだけど、これもまたすばらしいアイデア。
揚げることで葉の甘味がぐっと引き出されて、おろしの辛味とよく合うんです。
コツは低い温度で、色よく揚げること。
高温で揚げすぎると、あっという間に鮮やかな緑色が茶色くなってしまうので要注意。
お酒のおつまみに最高です!

◎薬膳ポイント
薬膳では食物の味を、その働きから「酸味」「苦味」「甘味」「辛味」「鹹味」の五味に分類しますが、大根の根は辛味、葉は苦味に属します。
苦味と辛味は、バランスを取り合う働きがあるため、この2つを組み合わせることは、とっても理にかなっています。
やっぱり食物は、葉も皮も実もすべて食べることではじめて、バランスがとれるようになっているんですね。

◎作り方
(1)大根葉をむしりとり、洗ってからしっかり水気を切っておく。大根は皮ごとすりおろし、自然に水気を切っておく。
(2)低温の油で色よく揚げる。
(3)食べる直前に大根おろしと和え、柑橘類のしぼり汁と醤油をかけていただく。
好みで茎ごと揚げた大根葉を添えても。

2011年2月5日土曜日

十品目きんぴら

きんぴらは、ごぼうとにんじんが定番ですが、
私はそのとき家にある野菜をいろいろ入れてしまいます。
ごぼうの端っこや大根の皮やしっぽ、ねぎの青い部分など、
ほんのちょっと残っていたり、つい余らせてしまいがちなものを、
何でも入れられるので、野菜室の整理にもなります。

今日は、ごぼう、にんじん、しいたけ、大根の皮、ヤーコン、れんこん、ねぎの青み、ゆずの皮、しょうが、唐辛子の十品目。
いつものきんぴらが、ぐっと豪華な一品になるし、
いろいろな野菜のうまみや甘味が相まって、ほんとにおいしいの!
加えた野菜、それぞれがみんないい味出してくれるから、味付けも薄めでOK。
冷めてもおいしいから、翌日の朝ごはんやお弁当にもおすすめですよ。

◎薬膳ポイント
きんぴらには唐辛子が欠かせませんが、定番のごぼうは体を冷やす作用が強い野菜。そこで、バランスをとるために、温める効果の高い唐辛子を加えて、胃腸を冷やさないように工夫されているのです。和食の知恵ってすごいですよね。

◎作り方
(1)好きな野菜をすべて千切りにする。どの野菜も同じくらいの大きさに切るのがコツ。味の回り方や火の通り方が均一になります。
(2)フライパンにごま油を入れて唐辛子を炒め、(1)の野菜を加えて炒める。
(3)全体に火が通ったら、酒、みりん、しょうゆで味を整える。

2011年2月3日木曜日

節分の炒り豆

2月3日の節分の日にまく炒り豆。
自分でも簡単に作ることができます。
炒りたてはそれは香ばしく、外はかりっ、中はふっくら。
かむと豆の甘みがしっかり広がって、買ったものとはひと味違います。
自分で必要な分だけ炒れば、余らせてしまうこともないですね。

◎作り方
1)大豆を一晩水につけておく。

2)1の水気をよく切り、土鍋に入れて弱火でじっくり炒る。

3)10〜15分ぐらい炒って、豆が柔らかくなれば完成。

あらかじめ5分ぐらい茹でてから炒ると、炒り時間は短くなります。
鍋は熱の伝わりがゆっくりな土鍋がおすすめ。

2011年1月27日木曜日

いろいろ野菜のごまみそ和え

残り野菜で作るごまみそ和えです。
だんなさまはこれを食べて、「ほっぺたが落ちるぅ」と、
古くさい表現で喜んでおりました。
1種類の野菜で作るよりも、いろいろな野菜を加えることで、
うま味の相乗効果でぐっとおいしくなります。
加える野菜は、何でもありです。

◉薬膳ポイント
薬膳では、酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味の五味がそろうことで、
バランスがとれ、五臓五腑を補うことができるとされます。
れんこん、しいたけ、水菜、大根の皮、ゆずの皮、ごぼうなど、
いろいろな野菜を加えれば、一品で五味が揃うメニューになります。

◉簡単レシピ
(1)好きな野菜をそれぞれさっとゆでて、食べやすい大きさに切る。
(2)炒りごまをすり、みそ、砂糖を加えてよく混ぜ合わせる。
(3)(2)で野菜を和える。

2011年1月25日火曜日

春の味覚 のびるの酢みそ和え

裏山で早くものびるを見つけた。
一足早い春の味覚。

定番の酢みそ和えでいただきます。

根っこの球がかわいい!

◉薬膳point

のびるは、ねぎやにらの仲間で、ぴりっとした独特の辛味が特徴。
辛味の食材は、とりすぎると肝の働きを損なうため、
肝機能を補う酸味と組み合わせるのが理想的です。
昔からの定番料理は、ちゃんとこの組み合わせになっているのがすごい!


◉のびるの酢みそ和えレシピ
(1)のびるはさっと塩茹でして水洗いし、アクを抜く。
(2)小鍋に酢、みそ、砂糖を加えて煮立たせ、みそと砂糖を溶かす。
(3)酢みそが冷めたら、食べやすい大きさに切ったのびるを和える。







2011年1月20日木曜日

冬の定番白菜漬け

白菜がおいしくなるこの季節。
絶対作りたいのが白菜漬け。
子どもの頃から食べ慣れてきたなつかしい冬の味。
白菜の持つほのかな甘味と発酵食の酸味があいまって、
独特の美味しさを醸し出す。あぁ絶品!
本当は丸ごと1個漬けるのだけど、2人家族ではとても食べきれない。
古漬けよりも浅漬けのほうが好みなので、なおさら長くは漬けておけない。
せいぜい1/2株がいいところ。

量も少ないので、大きな樽で漬け込む必要もない。
我が家では大きめのジップロックかビニール袋で浸けている。

まず白菜1個を買ってきたら、
軸のところに切り目を入れて半分に割き、さらに1/2に割く。
こうすると葉先まできれいに割ける。

そのあと軽く塩をふって一晩置く。
翌朝にはしんなりしているので、葉の奥まできれいに洗いやすい。
これは辰巳浜子さんの著書から教えていただいた知恵。

洗ったら2〜3時間天日に干しておく。
これで甘みが増す。

あとは白菜の重量の3%の塩をぬりつけ、
唐辛子、昆布、ゆずの皮をふりかけるだけ。
ビニール袋に、軸と葉先が交互になるように白菜を並べ、
白菜の倍ぐらいのおもしをすればOK。

できるだけ空気に触れないように、
口を閉じる前に空気をしっかり押し出すのがコツかな。

1、2日で水があがってくるので、おもしを減らす。
1週間ぐらいが食べごろ。
我が家ではそれ以上、発酵が進まないように、
漬け汁ごと容器に移し替えて冷蔵庫で保存している。
これで3週間ぐらいは変わらぬ味を楽しめる。

濃厚な鍋物や煮物が多い冬の食卓には、
さっぱりさわやかな白菜漬けがちょうどいいアクセント。

◉薬膳ポイント
白菜は体を冷やす涼性。
鍋や煮物など加熱して食べるのならいいけれど、
漬物のように生でいただくときは、
必ず体を温める薬味などを加えること。
白菜漬けにも唐辛子を加えるのが定番。